「東京西部」の索引図と原図・印刷図の違い

はじめに

本ページは、「東京西部」の索引図をご覧いただくとともに、原図・印刷図の違いや地図の入手方法について紹介しています。

(1)「東京西部」の索引図

「東京西部」の索引図を掲載します。図名については、常用漢字または現在の地名を採用しています。

「東京西部」の索引図

(2)原図・印刷図の違い

「東京西部」では、原図と印刷図の間に特に整飾部分で顕著な違いが見られます。これらはこれまで十分に整理されていなかったため、両者を比較して判明した点を以下にまとめました。

【原図の図郭の大きさ】
・原図の図郭は縮尺の違いにより2種類が存在しますが、印刷図では1種類のみです。
・図郭の標準サイズは「横1分 × 縦40秒」ですが、西5-3・西5-6・西5-9の3面のみ、東方向に10秒(約250m)延伸されています。

【図郭外の相違】
押印欄の位置と内容
・原図:図郭外左下に押印欄があり、「課長、第一班(班長・検査係・再査係)、作業班(班長・検査係・訂正係)」の押印が確認できます(作成年月により形式が異なる)。
・印刷図:図郭外右中央付近に、陸地測量部長・総務課長・第三課長の押印が配置されています。

陸地測量部長の押印
・原図では押印欄の外側に陸地測量部長の押印がある例が多く、原図完成時点で組織のトップ(現在の国土地理院長に相当)が確認したことを示しています。

個人名の記載
・昭和17年6月~昭和18年3月作成の図では、左下隅に班長・検査係・測量係の個人名が記されています。
・その他の図では、同様の個人名が裏面に記載されています。

秘密区分の違い
・原図:図郭外右上に朱色で「軍事秘密」の文字が押印されています。
・印刷図:「極秘」の文字が印されています。
・塚田ほか(2005)による秘密区分(重い順)
  1.軍事極秘 - 2.軍事機密 - 3.軍事秘密 - 4.極秘 - 5.秘
  → 原図は3番目、印刷図は4番目の秘密区分に相当します。

修正指示
・図郭外に修正指示が記されており、原図ではその指示に従って修正が行われています。

【その他の違い】
・原図には軍事施設・軍需工場が描かれていますが、印刷図では"地物遮蔽"により白抜き処理されている例があります(「戦時改描と地物遮蔽」のページで詳述)。
・原図を基に、何らかの工程を経て印刷図が作成されています。

(3)原図と印刷図の入手方法

● 原図(地理資料)
「東京西部」の原図の一部は"地理資料"として公開されており、どなたでも画像データを利用できます。利用条件は古地図コレクションと同様です。
 → 古地図コレクション(当該サイト右上「ヘルプ等-閲覧規則」から)

● 印刷図(測量成果)
「東京西部」の印刷図は"測量成果"に分類され、地図・空中写真閲覧サービスで閲覧できます。また、謄抄本交付(コピーサービス)も利用可能です。
 → 地図・空中写真閲覧サービス